タイムは多くの品種があり、その種類はおよそ300~400種類にも及ぶと言われていますが、一般的にハーブとしてよく用いられるのは地中海江沿岸産のコモンタイムという種類です。

タイムという名前はギリシャ語の「勇気」に由来する言葉で、古代ギリシャ・ローマ人にも「「勇気」「気品」の象徴として愛されてきたと言われています。中世のヨーロッパの女性たちは騎士のスカーフにタイムの小枝と蜂のモチーフを刺繍して騎士の栄誉を讃えていたそうです。

タイムのお茶は殺菌力にすぐれ、風邪や胃腸炎などの感染症の殺菌、さらには気管支を拡張させてぜんそくの症状の緩和、また、食べすぎたときの消化促進に効果があるとされています。

そんな古代のヨーロッパの人々から愛用されてきたタイムの育て方をご紹介します。

 

タイムの生育環境と水やり

タイムの多くは地中海沿岸を原産とする品種が多いため、カラッと乾燥した空気で日当たり、風通しが良い気候を好みます。水はけのよい砂利交じりの土地や石組の間などが生育に適しています。

夏場の多雨多湿に弱いため、株が群れたりすると根腐れを起こすことがありますので、水やりは群れないように土が乾いたらたっぷりあげるようにします。庭で地に植えた場合は水やりは植え込み直後以外はほとんど必要ありません。

肥料は春と秋の成長期に置き肥をするか、液体肥料を月に3~4回施すと花もよく咲くようになりますが、肥料のやりすぎは根腐れの原因にもなりますので、あげすぎには注意です。

冬越しについてはタイムは耐寒性が強い植物ですので外に出しておいて大丈夫、積雪しても大丈夫です。

 

タイムの種まきと植え替え

タイムは種まきで育てられます。種まき期は4~5月の春まきまたは9~10月の秋まきです。ポットに土を入れて種を撒きますが、非常に細かい種でしかも発芽に光が必要な植物ですので、種を置いたら土はかぶせず指で軽く押さえる程度にしておきます。種が流れないようにそっと水をやるか、ポットの下に受け皿を敷いて下から水分が上がるようにしてください。

本葉が3~4枚出たら間引きを行い、その後5~6センチの丈になったところで植え替えを行います。

既に育てている鉢植えの植え替えは春または秋に植え替えを行います。根鉢をほぐして古い土を取り除き、新しい土で植え付けてあげます。この時に多少根が切れてしまっても大丈夫です。タイムは根詰まりや用土が古くなると生育が悪くなりますのでいまいち生育が悪いと思ったら植え替えを行うと良いです。

そのほか、挿し木や株分けで増やすことも可能です。枝を6~7センチに切って下の方の葉っぱを落とし、ポットに入れた赤玉土などの清潔な土に挿して日陰で10日ほど管理すると発根します。しっかりと根が生えてきたら鉢または地に植え込みをします。

株分けはもっと簡単で、植え替えの時などに適当な束で株を分けます。根が切れても大丈夫なので、やりにくかったらハサミでカットして大丈夫です。そして、そのまま新しい土で鉢に植え込みます。

 

害虫と病気はほぼ心配なし

タイムはラベンダーと並んで害虫も病気もほとんど見られません。根腐れだけが注意点ですので、日当たりと風通し、土の水はけに注意して夏場の蒸れだけ気を付ければ特に心配することはありません。

タイムの利用方法

ハーブティーで殺菌・消化促進

ハーブティーは乾燥させた葉っぱにお湯を注いで出したお茶を飲みますが、フレッシュハーブティーもおすすめなので、活き活きとしている葉っぱが出ている時期は栽培している人にしかできない生の葉でハーブティーが楽しめます。殺菌効果があるので風邪予防や食べすぎの時の消化促進、気管支に異常があるときに飲むと効果があるとされています。

タイムのみでも良いですが、ブレンドはレモンバームやペパーミントがおすすめです。

水虫・足のにおいにフットバス

タイムのお茶を濃い目に出してフットバスにすることでタイムの強力な殺菌効果が発揮されます。特に水虫の方や足のにおいが気になる方は試してみる価値ありです。

入浴剤として

お茶パックにいれたタイムをバスタブに浮かべてハーブバスを楽しむこともできます。全身の緊張をほぐし、筋肉痛に効果があるとされています。

お料理に

お料理の香りづけ、殺菌としても効果のあるタイムは特に肉料理に合います。タイムの枝をお肉と一緒にフライパンにいれるだけで、ただのお肉のソテーがレストランの味に早変わりします。

さまざまな使い方がででるタイムですが、妊娠中、授乳中、高血圧の人は大量の摂取は避けてください。

 

まとめ

タイムはハーブティーや食用はもちろん、その丈夫さとかわいらしい小さな花がグラウンドカバーとしても活用できる万能ハーブです。玄関ポーチの石畳の隙間に植えるとヨーロッパの庭のようにもなりますし、土を選ばない植物ですので栽培して生活の一部として役立ててみてはいかがでしょうか。