バジルはイタリア料理によく使われるハーブとして知られていますが、もともとはインドが原産で蒸し暑い環境を好む熱帯性の植物です。
夏は熱帯地域と変わらないくらいに蒸し暑くなる日本もバジルを育てるのに適した気候をしているとは言え、栽培するにはいくつか注意点もあります。土の作り方や水やりの注意点、剪定の仕方など、バジルを育てる上で知っておきたいポイントをまとめてみました。

 

育て方のポイント

熱帯原産のバジルは寒さと乾燥を苦手としているため、日本での栽培期間は4月から10月頃までと想定されます。ハーブの中には冬場に栽培できる種類も少なくありませんが、バジルは気温が低い季節の栽培に向きません。ハーブ用の培養土や後述する方法で作った土を使えば、バジルは鉢やプランターで育てることも十分に可能です。バジルは葉がよく育つ植物で栄養もそれだけ多く必要とするため、元肥だけでは養分が不足してきます。油かすや固形肥料なら月に1回程度、液体肥料の場合は週に1回をめどに追肥も必要です。

ハーブは乾燥に強いイメージもありますが、バジルは暑さに強い代わり乾燥が苦手なため水やりが重要になってきます。バジルを鉢植えやプランターで育てる場合は日当たりの良い場所を選び、室内に置くのは気温が下がる春や秋の夜間だけにとどめておくのが無難です。
バジルは6月以降に開花期を迎えますが、花の咲く前に蕾を摘み取ることで収穫時期を遅らせることができます。20cmほどに育った段階で3回から4回ほど摘芯を実施すれば、枝分かれを促して葉の収穫を増やせる点もバジルを育てる上で知っておきたいポイントの1つです。

 

土の作り方

ホームセンターやネット通販で購入できるハーブ用の培養土には元肥が含まれているため、初めてバジルを育てる人に向いています。自分で土を作る場合は赤玉土と腐葉土を7対3の割合で混ぜるのが基本ですが、これだけではバジル栽培用として十分ではありません。バジルには弱アルカリ性の土が適してため、土をアルカリ性にする目的で苦土石灰を少し混ぜるのがコツです。

こうして作った土に土壌改良剤を加えれば水はけの良さと保湿性を両立させた土に生まれ変わり、バジルを育てやすくなります。赤玉土の割合を7から6に減らし、その分にバーミキュライトかココピートを追加するのが土壌改良のコツです。
以上のような土をベースにして完熟堆や化成肥料による元肥を加えれば、バジル用の土が完成します。

 

水やりの注意点

バジルは乾燥が苦手とは言え土が常に湿っているほど水をやりすぎるのも良くありませんので、水やりの際には頻度や回数に注意が必要です。地面に直植えする場合の水やりは雨が何日も降らないようなケースに限られますが、鉢やプランターでバジルを育てる場合はこまめな水やりが欠かせません。バジルは日光を好む熱帯性植物だけに鉢やプランターも日当たりの良い場所に置くことになり、夏場はどうしても水切れしやすくなります。1日に2回は土をよく観察し、土の表面が乾いてきたら水をたっぷりあげるようにするのがバジルを上手に育てるポイントです。

とは言え水を与えすぎると根腐れを起こして枯れる原因になりますので、土がまだ湿っているうちは水やりを控えなければなりません。水やりの回数は春と秋が1日に1回ずつ、夏は朝と夕方の2回を目安として、土の乾燥具合を見て判断します。葉が黄色に変色するのは水ではなく肥料が不足している証拠ですので、油かすか液体肥料による追肥が必要です。

 

バジルの収穫を増やす摘芯のテクニック

摘芯というのは20cm程度に育った茎の先端を摘み取ることで、バジルを長く収穫して収量を増やすために欠かせない剪定のテクニックです。摘み取った切り口からは脇芽と呼ばれる新たな茎が伸びてきますので、同じく20cm程度を目安にハサミで切り取ります。こうした摘芯を繰り返すことで脇芽が次々と伸び、10月頃まで何回かに分けて収穫を楽しめる点もバジルを育てる楽しみの1つです。

バジルも夏場を迎えると白い小さな花を咲かせますが、花が出ると株全体が弱って葉も固くなります。花を咲かせた後は種を残すのに養分が多く使われてしまい、葉を育てるのに必要な養分が行き渡らなくなるのです。花芽の状態のうちに摘み取れば開花時期を2週間以上遅らせることができるため、収量を増やせる上に葉も固くなりません。葉の成長を抑える花を敢えて摘み取ることで収穫を最大限に増やすのが、バジルを上手に育てるコツです。
強すぎる日光に当てるのも葉が固くなる原因の1つですので、日差しが強い夏場は鉢やプランターを半日陰に移動させた方が葉が柔らかくなります。

 

まとめ

以上に紹介したような点に注意して栽培すれば、バジルは初心者でも育てやすいハーブだと言えます。バジルは一年草なので植え替えなどの必要もありませんが、摘芯をした芽を使えば挿し木も可能です。バジルを育てているうちには摘芯のコツがわかってきて、何度も収穫を楽しめるようになります。